8月5日

パスポートを申請しに行った帰り。
行かないと行けない場所に行ってきた。
それは、お墓。
3日遅れてしまったけど…
8月5日
その日は「アル」の命日。
「アル」は、今のウサギ「ココ」が来る前に飼っていたウサギで
「ココ」のお兄さん。
一昨年の7月初め。
アタシが初めて、ウサギを友達から譲ってもらった。
金魚しか飼った事がなかったから
凄く嬉しかった。
「アル」は、「ココ」とは正反対で
凄くさびしがり屋で、甘えたがりで
ぺろぺろ舐めるのが大好きで、抱っこが大好きで
凄くおとなしい子だった。
でも、1ヶ月という短い命でこの世を去ってしまった。
原因はわからなくて
ただただ
冷たく固まって動かない「アル」を抱きしめて泣いた朝は
今でも鮮明に覚えている。
譲ってくれた友達に、泣きじゃくって謝った時


「ウサギは、産まれた子供のうち、長生きするのは一握りやねん。些細な事がきっかけで、命落としたり、取り返しのつかない病気になるのがほとんどで、科学的に8年は生きられるのに、ほとんどのウサギが2年3年で死んでしまうから。1ヶ月や、もっと早くに死んじゃう子もいるし、親に殺される子かっているくらいなんやから。でもな、命を落としたウサギのつらさを気づいてあげられなかったって、自分を攻め続けたらあかん。ウサギは、愛情をくれる人には、痛いくらいの愛情で返す生き物やから。死がせまっていても、愛する人が悲しい顔をしないように、必死に元気でいるフリしちゃう生き物やから。ASMAはアルをいっぱい愛してくれたから、アルはきっと幸せだったよ。ありがとう。今度、アルの弟や妹が生まれた時には、またもらってくれる?ASMAなら、弟や妹達も幸せにしてくれるやろうから。」


と、励まされた。
涙が止まらなかったのを覚えている。
そして、去年の6月。
家に「ココ」がやってきた。
「アル」が来た日より少し早い時期に。
この子は凄くやんちゃで、怪我が多くて、なつかないし、抱っこもさせないし
「アル」とは毛の色も違うし、
全てが正反対だった。
でも、この子には「アル」と同じ血が流れている。
時々、ふと「アル」とダブったりすると
やっぱり、兄弟なんだな…って思う。
「アル」も「ココ」も、パイナップルが大好きだしw
だから、去年の8月5日は
「ココ」が心配で、朝4時に目が覚めたのも覚えてる。
また、冷たくなってないか…凄く心配だったから。
でも、ぴんぴんしていた「ココ」を見て、涙が流れた。
今でも、あの夏の朝は、どこか悔しい想いが残ってるけど…。
今は「ココ」に精一杯愛情を注いで、少しでも長く命の火をともして欲しい。
…「アル」…
…お前の弟、やんちゃ過ぎて怪我が多いから守ってやってね。
そう、お墓で手を合わせた。


失って初めて気づく大切さとか
愛するものに対する、自分の無力さとか
やるせなさ、せつなさ、悔しさ
そういったものを、この3日間感じていた。


過去を、今を、未来を、
大事に大事に歩んで生きたい。
歩んで生きて欲しい。
アタシにとって夏は、そう感じるのが一番強い時期…。
今、そばにある、当たり前の幸せや
当たり前のもの、人の大切さを
忘れないで。