ドラムライン

会社帰りにタバコ買いにコンビニによる。
コンビニといえば、DVDですよね(何
まぁ、珍しくDVDに目がついたんだが、そこで見たかったものを発見。
それが今回紹介する「ドラムライン」である。


ドラムライン [DVD]

ドラムライン [DVD]



ドラムライン
2004年 4月10日 公開
監督 : チャールズ・ストーン三世
製作総指揮 : ダラス・オースティン
出演 : ニック・キャノン
ゾーイ・サルダナ
オーランド・ジョーンズ
レナード・ロバーツ


「未体験のビート、驚異のマーチング・バトル!」
このキャッチを聞いて一発でわかると思うが、
これはマーチングバンドの青春ストーリーである。


なんといっても注目したいのは、バンド・バトル!
スポーツ競技のハーフタイム、12分間という時間の中で
最高のパフォーマンスとリズムを観客に贈る、最高のパフォーマーである。
効果音、BGM、一切なし。
バンドの音楽で観客を五感で感じる興奮と感動を与える。
それはまさにエンターテイナー。
このバンドの心臓となるドラムパートについたある青年とメンバーの青春物語。


ストーリーを説明すると…
ニューヨーク・マンハッタンのハーレムに住むデヴォン・マイル(ニック・キャノン)は
音楽を諦めた父親の才能を受け継いだ天才ドラマー。
その才能は、演奏を聴いただけで一瞬にして再現し、
アレンジまで出来てしまうという素晴らしい天性のものである。
その才能に目をつけた、マーチング・バンドの有名大学「A&T」のリー監督は
デヴォンを音楽特待生として、奨学金を出しマーチング・バンドに招待をする。


デヴォンの才能は入部早々にその力を発揮し、他メンバーとの差をアピールした。
デヴォンは特待生としての自分の地位と、自分の才能に自信を持っている事で、
バンドリーダーのショーン(レナード・ロバーツ)に生意気な態度をとり、
ショーンとの対立は毎度の事のように起きるのである。
それは、初めてのマーチング・バンドデヴューの日のデヴォンの行動により
事態は一変二変していくのである。


A&Tのバンドは伝統的なマーチング・バンド。
昔からの規律と音楽を重んじ、いつも安定したパフォーマンスを披露する。
だがしかし、その定着したパフォーマンスに校長はあきれていた。
デヴォンのデビュー日。
パフォーマンスの中で一番重要なドラムライン(ドラムのみのソロパート)
そのソロの部分をショーンとの口論により、いきなりやってみろと促される。
強気なデヴォンだったが、いざその場に立つと足が前に出ない。
それを見かねたショーンが仕方なくソロを演奏。
しかしそれに対抗するように、デヴォンはいきなり前に出てきて二人でソロを演奏し始める。
パフォーマンスは大成功だったが、リー監督はリハと違う演奏に激怒する。
だがそのパフォーマンスこそ、待ち望んでいた新時代だ!と絶賛する校長。
それに気をよくしたデヴォンは、更に舞い上がりショーンを見下すのだった。


だがそこでショーンはある事に気づく。
バンド入部の1番の規則である「楽譜が読める事」
これが、デヴォンには出来なかったのだ。
一度はバンドをおろされるデヴォン。
ただリー監督の中には、新時代となるバンド音楽を認められず
それが出来なければ来年は無いといわれ四苦八苦していたのだ。
やはりデヴォンを入れるしかないと思い、結局デヴォンはバンドバトルに出場。
それはモーリス・ブラウンというA&Tの昔からの因縁の大学が相手であった。
だがそこで、血の気が早いデヴォンは相手の挑発にのってしまいバトル中に大惨事を引き起こしたのである。


バンドのモットーである
「ワンバンド・ワンサウンド(バンドはひとつ。音もひとつ。)」
これを重んじずワンマンプレイなデヴォンは、退部させられてしまうのであった。
納得のいかないデヴォン。
更にはモーリスブラウン大学からの勧誘に合いつつ、それが汚い誘いだと知り
更にバンドから遠ざかるのであった。
なぜ自分をもっと見てくれない。
自分を認めてくれない。
気を寄せている彼女にまで無視され、途方にくれるデヴォン。
そこにひとつの小包。
父からの贈り物。それを見、聞いて、デヴォンはやはりバンドに自分を認めてほしかった。
ショーンに音楽の才能を認めろ!と、つっかかるデヴォン。
だがそこでデヴォンは一番忘れていた事をショーンに気づかされる。
バンドはひとつ。音もひとつ。
その意味を知り、自分が今まで何を思って行動してきたのか。
もう一度見つめなおし、デヴォンの才能は更に開花される。


その年、一番の大会。
優秀バンドが集う、バンドバトル。
そこでA&Tは最高のパフォーマンスとリズムで観客を圧倒するのである。


んー、ほとんど喋っちゃったやwww
まぁ、ストーリーも青春だがなんといってもバンドバトルを見ていただきたい。
心と体で感じるリズム。
だがそこまで感動を呼ぶバンドには実は理由がある。
この映画、実はグラミー賞の常連であり、音楽界の巨匠、
「ダラス・オースティン」の実体験を基にしているのである。
かの有名な「ボーイズⅡメン」「TLC」「ジャネット・ジャクソン」の作品を手がけたダラス。
(まぁ、麻薬所持で捕まってはいますが(ぁ )
この巨匠と共にプロデュースしたのが「フォレスト・ガンプ」のウェンディ・フィネルマンだというのだから、納得である。
バンドだからといって、昔のイメージである軍体調だなんてとんでもない。
最高に熱く、ノリのいいミュージック・スポーツといっても過言ではない。


さて、もうひとつ注目すべきはデヴォン役の「ニック・キャノン」。
実はラッパー兼コメディアンの彼。
あのウィル・スミスに可愛がられている、スミスの弟分として有名なのである。
あの憎憎しくもあり、幼さの残る表情は彼の独特の味である。
そんでもって、バンドバトルにあの人気ラッパー、
ピティ・パブロの出演まで!!これはかなりの見ごたえだ。


有名どころを上げてきたわけだが、実はアタシ
この映画で一番デヴォンの友人役であり、黒人ばっかりの大学に入学してきた唯一の白人バンドマン
ジェイソン役のGQが好きだったりするw
なかなか上手く演奏できないジェイソンに、デヴォンがレクチャーするシーンがかなりお気に入りであるw
GQ自信、演劇専攻で大学に通い、そこで製作したヒップホップと演劇の融合作、『The Bomb-itty of Errors』というものが
オフ・ブロードウェイの作品として抜擢され、スマッシュ・ヒットするという素晴らしい経歴の持ち主らしい。
映画では「ビッグ・マネー」にも出演していたらしく
私としてはこれはチェックしなければと思う俳優の一人である。


もうひとつ、映画の中で一番アタシがすきだったシーン。
実は、EDのスタッフロールに入る前である。
あの爽快なドラム演奏を聴いた後での、あのEDへの移り方。
ドラムの軽快なリズムと共にスタッフロールが現れる。
なんとも見ていて気持ちのいい演出だった。
正直、あそこだけでも何回か見直したのは内緒w


とにかく、音楽とリズムとパフォーマンスを愛する人には是非見ていただきたい作品である。
バンドバトルというものが、具体的には説明しづらい。
見てない人には想像も曖昧にしかできないだろう。
これを見て、その新しいミュージック・スポーツの形を感じてもらいたい。
青春は音楽に似ているのかもしれない。
流れるようなリズムは激しくもあり癒しでもある。
そして怒りやジェラシーをも感じさせる。
音楽と青春のつながりを感じる映画。
それがドラムラインである。