シービスケット

ええ、久しぶりに映画を語りましょうかねw
この夏で、観る前の期待より意外によかった映画。
シービスケット

シービスケット [DVD]

シービスケット [DVD]

一度や二度のつまづきは誰にでもある。
1983年 大恐慌時代 アメリカ―
人々が夢を託したのは、大統領でも銀幕のスターでもなく、
一頭のサラブレットだった。』


このキャッチコピーで、2004年1月24日に公開されたこの映画。
これは1930年代のアメリ
大恐慌によって人々が絶望に伏していた時代のストーリー。
彼らに希望の灯りを灯したのは、一頭のサラブレット。
それが、奇跡の馬、シービスケットである。
この映画は、ローラ・ヒレンブランドのノンフィクション。
シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説』
という436万部を超えるベストセラーになったドキュメント本が原作である。
そう、この映画はノンフィクションなのだ。
映画公開されるやいなや、
「この物語に胸を熱くしない人はいない」
「われわれの感情を揺さぶる感動作」
と大絶賛され、2ヶ月以上にわたってベストテン入りを続けるロングラン・ヒットとなった。


この感動作…何がいいって…
やはり、大恐慌時代の転換期に
颯爽と現れた奇跡の馬シービスケット
世界中の人々に奇跡と希望を与え
それに人々が失意の底から活気づいていくのが素晴らしい。
シービスケットは失意の底から蘇り現れ
ヒーローとなっても引退するまで
不屈の魂で”不可能”に挑戦をしてきた。
そして、全て奇跡を起こしてきたのだ。
これが実話だというのだから…感動なくしては見られない。


ストーリーを説明すると…
チャールズ・ハワード(ジェフ・ブリッジス)は
自動車の可能性にいち早く目をつけた大富豪。
しかし、何もかもが成功したかと思った矢先…
最愛の息子が事故でこの世を去った。
そのショックで抜け殻になったハワードの側にいた妻も去っていってしまった。
同じ頃、カウボーイのトム・スミス(クリス・クーパー)は、
自動車の普及で馬の需要が減り
時代遅れのカウボーイは西部劇の馬の調教師となって旅していた。
カナダでは16歳のジョニー・ポラードが乗馬の才能を磨いていたが、
株の大暴落でジョニーの家は無一文となる。
ジョニーの騎手の才能を信じていた両親は
ジョニーを草競馬の世界に一人預け家族はバラバラになった。
そして6年…赤毛からジョニーは”レッド”(トビー・マグワイア)と呼ばれ
大柄な青年に成長していた。
しかし、稼ぐ為にしていたアマチュア・ボクシングでレッドは右目を負傷していた。
1933年、禁酒法の時代、
ハワードはメキシコで乗馬が趣味の女性マーセラ・ザバラ(エリザベス・バンクス)と出会い、電撃結婚
彼女の影響で競馬の世界に踏み込んでいく。
ある夜、ハワードは森で骨折した馬の治療をしているスミスを見る。
その時にスミスの言った
「ケガしたからといって、命あるものを殺すことはない。」
という言葉に感銘を受け、スミスを調教師として迎える事になる。
3ヶ月後、スミスはニューヨークの競馬場でシービスケットと出会う。
スミスはビスケットの持つ秘めた何かを感じていた。
名馬の子孫だというビスケットだが、気性が荒く、小柄で、
調教師も騎手も拒否するビスケットには、皆願い下げだったが、
ハワードはビスケットを買うのだった。
騎手がいないのに困るハワードとスミス…
とそこに、ビスケットの暴れっぷりと同じように暴れているレッドを見つける。
一か八かとレッドにビスケットを対面させると、これがどうだろう。
一人と一頭は心で何かを通じ合い
その瞬間からお互いはパートナーとなったのだった。
これが、ビスケットと男3人の出逢いである。
初レースで失敗したにも関わらず
失敗は恐れずチャンスを与えられた。
この2度目のチャンスが
皆からこいつは駄目だと言われてきた同じような境遇の3人と1頭…
そして世界中の人々の心を熱くさせる感動の物語へと続くのである。
…さわりはこんな感じ。


シービスケットは、一度レースで失敗してしまうけど、
2度はないチャンスを与えられ、その期待には奇跡をもって返してきた。
その圧倒的な心の強さと希望を見せる走りには、本当に感動させられる。
ケガをして、もう二度と走れないかもしれないという困難にも、
シービスケットもレッドも諦めないで、不可能を可能にしてしまう。
可能性が1%でもあるなら
それに全力を尽くして実現すればいいじゃないか。
という、前向きで諦めない姿勢は
今の時代の人たちにも、充分に心に響くと思う。
シービスケットの最後のレースは
本当に涙なしには見られないくらいの感動だ。
(涙するのは、アタシだけだろうか?w)


気づいた方は、気づいただろうが
この『シービスケット』のレッド役はトビー・マグワイア
スパイダーマン」だねw
でも、正直最初はアタシ気づかなかったんだよねw
あまりにも、マッチしすぎて、あのアメリカンコミック的トビーの影すら見えなかったw
あと、この映画は第76回アカデミー賞7部門ノミネートを果たしたが、
アカデミー賞獲得にはいたらなかったのが残念である。
この年には他の映画に
ロード・オブ・ザ・リング王の帰還〜や
マスター・アンド・コマンダーなどがあったので、
まぁ、仕方ないといえば仕方ないかな…;悲しい;;
パイレーツ・オブ・カリビアンや、
ラスト・サムライでさえ、獲得できなかったしね;
確かに「この映画はパーフェクトです!」とはいえないかもしれない。
でも、夢を追って、不可能の中に1%でもある可能性を
実現させ走りぬくという、この不屈の魂は
見る人に夢や希望、奇跡を見せてくれるのは間違いない。
もう一度確認するけど…
これは、1930年代に起きたノンフィクションドキュメントである。
そこを忘れないでほしい。


余談だが、シービスケットの子孫は、
今なお競馬場で颯爽と駆け抜けている。
Windy's Daughterという、1970年に誕生した馬が
また活躍していたらしく、今は
孫にあたるケイアイランボーが現役で頑張ってるみたい。
日本では、Windy's Daughterの兄弟であるルージョンの子供、
タニノハチクや、タニノターゲットの子孫が
今、現役で活躍中らしい。
タニノハチクの孫にあたる
タニノゴードンは今、現役で活躍中。


こんなに熱く書いてるけど…アタシ、競馬全くわかんないw
オチでしたw